最高裁において、過払い金に関する重要な判例が出ました。 

タイヘイからCFJに営業譲渡がされている場合に、営業譲渡の時点ですでに利息制限法に基づく引き直し計算の結果、過払いとなっている場合、CFJはタイヘイから過払い金返還債務を承継するかどうか、平成23年3月22日に最高裁判決が言い渡さ れました。

最高裁は、営業譲渡に伴い過払い金返還債務もCFJは承継するとした原審判決を破棄し、事件を原審に差し戻すと判示しました。

その大きな理由として、最高裁は、貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合、その譲渡が営業譲渡の性質を有するときであっても、当然に借主たる地位(契約上の地位)が譲受業者に当然に移転すると解することはできないとし、そして、本件においては譲渡契約においてCFJは過払い金返還債務を承継しない旨を定めていることから、当事者間の合意の内容としても、過払い金の承継を認めていないという点を指摘しました。

同様に、マルフクからCFJに対して債権譲渡があったケースについても、平成23年7月7日の最高裁判例で、CFJは過払い金返還債務を承継しないと判断されました。

同様のケースで問題となることがあるのは、プライムとSBIイコールクレジット(現SBIカード)のケースですが、これについてもSBIに承継しているという主張は難しくなりそうです。タンポートとプロミスの間での譲渡の事例については、秋ごろに最高裁判決が出そうな感じですが、これは事案が異なり、逆の結論(プロミスが過払い金返還債務を承継するという結論)となりそうです。

過払い訴訟について
松谷司法書士事務所 過払い訴訟


2010年6月18日、貸金業法が改正されました。例外はありますが、基本的には、年収の3分の1を超える借り入れはできなくなりました。複数の貸金業者から借入れがある場合は、各社からの借入額を合計して、それが年収の3分の1を超える場合には、新たな借り入れができなくなります。例えば、年収300万円の方であれば、借り入れできるのは100万円が上限となります。すでに100万円を超える借り入れがあるのであれば、もう借り入れができないということになります。これを、総量規制といいます。

では、主婦の方の場合はどうでしょう。主婦の方で、パートなどの仕事にもついていない場合には、全く借り入れができないのでしょうか。
この場合、総量規制規定の例外が認められています。総量規制は、原則として個人の年収を基準として定められますが、個人の収入の3分の1を超えていても、配偶者と併せた年収の3分の1以下となるのであれば、借り入れをすることができます。主婦の方で、収入がなくても、配偶者の年収の3分の1以下までは、借り入れをすることができるということになります。

主婦の方も借り入れができるということで、今までとあまり変わらないような気もしますが、実は大きく変わる点があります。収入の無い専業主婦の方が借り入れをするときには、配偶者の年収を基準に審査するために、戸籍など配偶者との婚姻関係を示す書類が必要となり、また、借り入れについての配偶者の同意書が必要となります。

この、配偶者貸付の制度は、総量規制の例外ですが、これ以外にも例外はあります。たとえば、ショッピングのローンは、貸金ではないので、総量規制の対象外です。そして、銀行のカードローンについても、銀行は貸金業者ではないため、対象外となります。さらに、「社会通念上緊急に必要な費用を支払うための融資」についても、対象外とするという規定があります。これは、たとえば今回の東日本大震災のようなときに、被災者に当面の生活費として貸付をするようなケースがあてはまるでしょう。

(日本経済新聞 2011/3/25)
大手クレジットカード会社などノンバンク各社は、東日本大震災での被災者向けに緊急融資をする方向で検討に入った。改正貸金業法による総量規制に抵触してい る被災者に対しても、生活資金などに充てる目的で10万円程度の少額貸し付けができるかを検討する。被災者は現金の需要が高いといい、柔軟に対応する。支払いの延期などについても個別に相談に応じる。

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